HOTELの発音の仕方 従来の説明のしかたと喉パラダイムの比較

たこ焼き村先生が、スペイン語発音講座において、HOTELの発音のしかた、スペイン語のと、英語のを比べていらっしゃる。この機会を使わせてもらい、英語喉パラダイムと従来の指導法の違いを比較してみたい。
たこ焼き村先生のサイト


http://www5d.biglobe.ne.jp/~ktakuya/pronun01.htm の 番外編:英語の hotel とスペイン語の hotel とあるところ。音声ファイルを置いてらっしゃいます。


従来の方法は新しいものではない。私が同志社の英文科だったときに、音声学のクラスで似たことを勉強したとは思う。
 

先生が説明されているのは、HOTELという単語で、スペイン語のHOTELと英語のそれを比較されているが、私は英語の説明のほうに注目。
 

先生は、HOTELO(英語のほう)はオウだとおっしゃっているが、これは、日本の辞書にもそう書いてあるし、私も以前はそう思っていた。しかし、ONLINEのウェブスター辞書には、単にOとされている。


実際には、このOは、オウではなくて、O(オ)だけなのだ。英語喉的には、。喉でOと響かせていうと、日本人が聞くと何となくウっぽい残響感が残る。そのウは、わざと言うウではない。
 

つまり、オウという二重母音は英語に存在しないということだ。
IPAのパラダイムでは、音を瞬間的にとらえる感覚がある。だからOにちょっと残響感があるならば、それをUだとして表現するのだろう。
 

次はTの発音。口のなかで、はげしく破裂させる感じは、従来の方法が教えるところである。実際のネイティブはそういう風にしていない。日本人が口の中で激しく破裂っぽくしないとTにならないのは、喉のほうが緊張しているために、首のパイプを楽器として、生かせないからだ。首のパイプを充分響かせておけば、舌のほうは、単にはずすという感じで充分、アメリカ英語のTが出る。
 

そして、Lの発音だが、先生は、HOTELLは、舌が上につかないことがあり、舌のおくのほうが盛り上がる、、、と説明しているのだけど、それは事実と違う。それをするとホテウという感じになるが、やはり、実際の音とは違う。Lはウではない。
 

確かに喉をあけたまま、リラックスさせて、Lを発音すると、日本人が聞くとウっぽい音が聞こえるように思えるかもしれない(暗い感じがするかもしれない)。しかし、それはウといっているわけではない。
 

実際、文のなかでHOTELを言うとする。THE HOTEL ISとするならば、HOT-TEL-LIZという感じになるのが、その場合、全然、Lが暗い感じがしない。HOTELというと、Lが暗く感じても、HOTEL ISだとそう感じない。


舌の奥に関して、そう指導しているのは、たまたま日本語ではウをそのように舌の後方を盛り上げて発音するからだろう。私の感じでは、IPAの教え方は、日本語をおおげさに強調したもののように思われる。実際、アメリカ人はLの時にでも、舌は、口の屋根につくけれど、結構、全体的にはどてっとしたままだ。


IPA学派が単語レベルでしか説明しないのは、文の中に単語が入ると、色々と音の感じが変わってしまい、今、せっかく、ダークL(ウみたいに聞こえるL)と説明したものが、そう聞こえなくなってしまい、説明の一貫性がなくなってしまうからではないだろうか。
 

例えばRで唇を丸めますといっても、一語なら、それはできるけど、文となると、CONSISTENTにできない。実際、丸めなくてもRが言えるし、ネイティブは丸めていないからだ。丸めることもあるかもしれないが、それは何かを強調しているときであり、音に弁別的な違いが出るわけではない。笑いながらでも、英語が喋れるし、Rは発音できるが、笑っているときは、唇を丸めることができない。
 

それから、Lの時の(これはスペイン語でも英語でもそうだが)、舌の位置を細かく意識する必要はない。私は、舌の位置はちょっと後ろ気味にしようと、前ぎみにしようと、横ぎみにしようと、だいたい同じLがでる。あんまり右になったり、左にやると、発音しにくくて、音がこもったりするが、そのコモリは根本的に、LLじゃなくするものではない。つまり弁別的要素ではない。
 

私は学生時代に、つるんでいたアメリカ人がLを発音するときに、舌を極端に出すことに気がついていた。これは癖だったと思う。ブリットニースピアがMTVなどで、舌をぺろっと出す感じでLを発音する(これは、セクシーさを出すためらしい)。
 

実は、当時は、あ、舌を出せば、ちゃんとLが発音できるんだ、これは大発見だと思っていたのだ。しかし、本当に大切なのは、


Lは舌の位置をどうしようと、同じLが出るということである。口の屋根についている限りは、実際、どこでもよいのだ。もちろん、一番、楽な場所というのはある。
 

しかし、我々は舌を口の屋根につけるというと、ものすごい難しいことに思えてしまうが、実際、一日中、暮らしていて、舌が口の屋根についているほうが普通じゃないだろうか?それを、これまで我々は、舌をつけるための筋肉を鍛えるという感覚で発音練習をしてきたのだ(この点は、たこ焼き村先生が言っているわけではありません)。


IPA学派の弱点は、音を瞬間的に捉えすぎている点だと思う。それはIPAの発音記号が、音のライフサイクルを軽視している点が原因だろう。しかし、同じIPAを使って、ヨーロッパの人に教えたときは問題がない。ヨーロッパ人は喉発音なので、教えなくても、音にライフサイクルが生まれる。しかし、日本人にとっては、もともと日本語の音が、ガガガガという感じで短いので、音に関するイメージが、瞬間的だ。
 

ライフサイクルという考えは、これまでダークLだとか言われてきた現象を全て、ことごとく説明してしまう。TELLLが暗めに聞こえるとしたら、それはたまたま、音の半分まで(舌がつくとこぐらいまで)が発音されたからだろう。TELL ITと音がつながると、TEL-LITとなり、2番目のLとして音の後半が加わるために、今度はダークLとうい感じがしない。


Rだって、音のどこに出没しても、同じRだということは、先日、音声でも示したところだ。Rのライフサイクルは、比較的単純で、最初から最後まで犬がうなる感じの音だ。
 

あ、そういえば、REDを読むとき、日本人はウレッドという感じで、ウをつけると、それっぽいと考えてきたが、実は、あのウがRだったんじゃないかな?レに聞こえるところは、RからEに移る位のところだろう。
 
アドリブ英語の音声にて解説。www.estat.us/blog/hotel.mp3

Related Articles

日本語の母音 ネイティブから見たとき

数日前のコメントで、ZENさんが、面白いものを書いてくれているのでぜひ見ておいてくださいね。 http://nippondream.com/estatus/wordpress/?p=921 さて、 三羽さんのぶろぐで、外国人、アメリカ人かな?が書いた日本語の母音の説明があって面白いです。英語喉と全く同じで、日本語のあ、い、う、え、おは、英語にある母音と同じだと書いてあります。特にBOATのオが日本語のオと同じと書いてあるところなど、英語喉と一緒です。オウに聞こえるのは、ライフサイクルの関係上です。 http://ahalfyear.blogspot.com/2010/08/blog-post_10.html もし日本の音声学学者の書いていることが本当ならば、アメリカ人は、口の形がどうのこうのとか、舌の形がどうのこうのとか書いているはずですが、そう書いていない。面白いですね。言説空間において「無」というのが一番みつけにくいですが、言及が突然ないのは、非常に面白いです。 スペイン語の先生のお好み焼き村先生のスペイン語発音講座を読んで思ったことがあります。母音の説明のときに、口の外から見た形がどうのとか、唇をまるめるだのどうだのということが、全くでてきません。http://www5d.biglobe.ne.jp/~ktakuya/prefacio.htm 一方で、従来の音声学で、英語は、口の開け方がどうのとかいうことが色々書いてあります。口のあけたかた、つまり表情を変えることで、母音を変えようというアプローチですから、魔術に近いものがあります。さらに、テレビやYOUTUBEでネイティブの喋っているところを見ると、全然、規則的でないわけです。口の開ける広さは。 私の持っているフランス語の本にも、母音によって、口の開け方がヒロイとかセマイとか色々です。 となると、ガリバー旅行記ではありませんが、イギリスからフランスに渡った瞬間には、人々が口を大きくしたり小さくしたりして、表情豊かに喋っているけど、スペインに渡った瞬間に、表情が変わるということでしょうか?急に無表情になるのでしょうか? 結局、自国の言葉に、外国語の母音があるときは、口の開け方がどうだ、こうだと言わないということですね。難しいと思われる母音になると、口の開け具合が登場するということでしょう。 アメリカ人にとって、日本語の母音はすでに英語にあるのだから、口の開け方がどうのこうのといわないということでしょう。 つまり、科学的?学問的と思われている言説も、実は、色々と文化的な言説形成のルールに影響を受けているといえますね。 自分にとって難しいものほど、色々とごちゃごちゃいうということでしょう。  

どうやって仲直りしましょうか?土手で喧嘩して、沈む太陽に向かって大声で笑う?

今日はちょっとふざけがきつかもしれません。 前もってあやまっときます。冗談と思って読んでください。 科学の哲学者トーマスクーンによると、あるとき新しいアイデアが突然うまれ、それが少しづつパラダイムになっていくらしいが、英語喉のパラダイムをすこーしづつ真似ていくというアプローチが発生しているような気がします。 音節なんて、前から教えていますよとかいう声を聞くが(あのねーーー試験にもでませんよ)、実際は、英語喉が初めて音節を理解できるもの、実際に使えるもの、練習できるものとして発見している。それが3ビート理論。 いや、教科書音声学にもあったとかじたばたするのは、非常に見苦しいと思う。今、猛烈に音声学の教科書を読んで、いかに音節が大切かということが書いてあったかを確認しようとしてる?もしかして、、、。 教科書音声学に書いてあるのは分類だけです。 C+V+C C+C+V+C とかね。延々と続くだけです。 あと喉発音のほうも少しづーつ、少しづーつ、あたまも前から知っていましたよというようなアプローチがちらほらと見えてきている。あるスペイン語の先生、たこ焼き村氏のサイトで発音の説明をみていたら、Gは舌の奥につけずに発音するということを解説されていてびっくり仰天。喉バッシャー第2号ぐらいの人なのに、今では(スペイン語だが)Gを摩擦音と読んで、口の奥につけるときと、そうでないとき(=摩擦音)があると言っている。  http://www5d.biglobe.ne.jp/~ktakuya/pronun03.htm 喉だと認めてしまえば、楽になるのに。「こそばい」すぎますよ、喉の奥あたりで摩擦音なんて。 英語喉の風キャッチに当たるのかなあ。 それとも実際、本当に摩擦音って説明されているんですか。通常? たこ焼き村さん、日本語、すごい口発音ですねえ。スーパー口発音ですが、これでは喉発音がピンと来られないはずだ。日本人男性の10名に3名ぐらいはこんな感じだと思いますが、なかなか喉発音が最初は難しいかもしれません。あるいは、かしこまってらっしゃるからかな。 私がGの解説をすると(舌を奥につけずに発音し、喉を鳴らします、、、Kも同じです)、馬鹿だ、音声学を知らない、阿保だ、10年早い、などなどと罵声が教科書音声学派から飛ぶのにね。あ、でも罵声はたいてい匿名ソースからくるんで、一緒にしたらいかんですね。いや、まじでこんなメッセージ来たんですよ。前に。 *** こんな嘘だらけのサイトなくなればいいのに!! むなしくなりませんか?! ってか頭大丈夫ですか?! ***  杉田さん、スペイン語の先生までもが、喉発音に近づいていますよ!先生の次のエントリーは音節だそうです。英語喉の構成と全く同じになりかかってます(某本のごとく)。 英語喉までは誰も音節が大切なんて言ってなかったのになあ。牧野先生の本だって、音節の扱いは4ページだけ。160ページ中ね。英語喉では、本の半分が音節です。それも音節の正しい読み方です。ちょっとまとめてみると、音節の取り扱いは 牧野先生の本 160ページ中4ページ(描写のみ) 英語耳 0ページ UDA式 0ページ…

Responses

Your email address will not be published.

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.

  1. こんにちは

    いつも勉強させていただいております。

    関係ないはなしで恐縮ですが、
    たまにKAZさんへかかってくる電話が時々聞こえてきて(2回目?)
    それがむしろ興味深々というか臨場感があってとてもよいと思います。

    家電に間違い電話?とおもいながら今回も楽しく聞かせていただきました。

    ほんとうにいつもありがとうございます。

  2. ごろぞうさん、メッセージありがとうございます。

    電話ですが、家の電話は事実上、使っていない感じで、ほとんど携帯ですが、かかってくると、決まって、なにやらあやしい商用のものばかりなので、普通はとらないのですが、ときどき、個人っぽい電話番号からかかってくるので(スクリーンに映るので分かる)、とるのですが、だいたい間違い電話です。スペイン語でかかってくるときもあるんですが、そのときは、スペイン語で応対して練習にしています。NO ESTA(おらん)とか言っています。

    さて、臨場感はとても大切だと思います。というのは、英語はアドリブでしかありえないからです。練習して、練習して、練習して録音するのは、よいですが、あまりに練習しなければいけないようなものは実践で使えません。

    だから、音声UPされるかたがたも、まあ、適当にUPしたら良いのではと思います。というのは、あれ、あそこ間違ったとか、、思うこともあるでしょうが、そのときに感じる気まずい感じをばねに、その間違いをもうしないぞと思えると思います。

    それではまた!PROGRESSのほうお知らせください。