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知識の考古学 (テイク2)

10月27日に書いたエッセイ知識の考古学(http://nippondream.com/estatus/wordpress/?p=29 )をUPDATEしました。色々メールをいただき、誤解があったことが分かりましたので、もっと正確に思うところを表現してみました。

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一体、いつ、英語では単語によって強く読む場所があるという「言説」が誕生したのだろう。私は、この今世紀に誕生したのではないかという仮説を持っている。


 確かに、昔から試験では問われていた問題である。会話文をあたえられ、ある文に線が引かれる。そして、どの単語が強調されるかが問われる。

受験生は、そういう問題は、姿を変えた読解問題だということを体験的に知っていた。実際、そういう問題を解くさいは、前後(というか前)の意味を理解したうえで、どの単語が、その文で一番大切かを考える。すると答えがでる。だが、まさか、本当に、英会話において、その単語を強く読むという発想は受験生でもなかったと思う。


 今一度、仮説をたててみる。厳密に。
1)       単語によって強く読む場所がある、、、という言い方は確かに昔から存在した(現状確認)。
2)       ところが、実際の会話で、特定の単語を強く読むとよい(そうすると通じやすい)という言説は今世紀に現れたものである(仮説1)
3)       実際の聞き取りで、強く読まれた単語を特に注意深く聞くと、聞き取りがしやすい、、、という言説は今世紀に現れたものである(仮説2)

                実際は、発音が悪いままで、特定の単語を強く読んだところで、悪い発音が良い発音にはならない。また、聞き取りにおいて、どの単語が強く読まれたかな、、、なんて考えている余裕はないはずだ。発音が悪いままで英語を録音をしておき、あとて、人工的に単語ごとのボリュームを変えたら、少し聞きやすくなった、、、ということにはならない。特定の単語を強くよめば、英語がうまくなる、、、という説は正しくない。
             少し、寄り道をする。特定の単語を強く読むという発想は、同じ従来の言説空間において、矛盾を起こしている。受験英語、例えば、センター試験においては、「どの単語を強調するか」は、実は、内容把握問題である。意味的に大切な単語が強調される、、、とされている。ところが、従来のアプローチである音声学のテキストにおいては、強勢は単語の役割によって決まるとされる。例えば主語だと強く読むとか。この二つの言説は矛盾しているが、なぜか問題視されていない。                
さて、本筋にもどる。この発想は90年代、あるいは今世紀に入って、形成された言説ではなかろうか。日本に住んでいないので、昔の英語発音の教材を調べることができない。 歴史のある時点で突然新しいことが言われだすことは起こりうる。                ちょうど、日本人が子供の名前をつけるときに、あるときまではXX子とか、そういう古典的な名前が普通だったのに、あるときを境に、西洋人の名前と間違われそうな名前をつけ始めることがあるが、その突然さと同じであろう。 
 
言説の起源はなんだったのか、社会的要因は何か? 90年代は、普通の日本人が東京で下宿をして大学に通うのと同じぐらいの値段で、留学ができるようになった時代だ。私自身の世代である。留学をして、海外生活を長い期間したのだから、当然、発音や聞き取りが私達の世代からは、抜群によくなっていなければいけない。
ところが、そうはならなかった。海外に住んで帰ってきても、私達の世代の発音と聞き取りはそれほど向上しなかった。 この苦悩こそが、英語にまつわる言説をより複雑化させたのではないだろうか。何かがものすごく難しいときに、言説は複雑化し、発達する。 

最後に、英語喉・ネイティブメソッドの観点から、ひとつ。上で紹介した言説の背後には、単語を一つ一つみていこうという意思がある。これは、いわゆるASSUMPTIONである。あまりにも、ファンダメンタルなASSUMPTIONであるために、その存在さえ忘れてしまうようなものである。 これには害がある。単語、単語のレベルで考えていると、発音がCHOPPYになってしまう。英語は文全体を一つの単語として読んではじめて、英語らしくなるのだ。例えば、HOW ARE YOU?はHOWAREYOUである。英語では、一つ一つの文こそが一つの単語なのである。あえていうならば。ぜひ、英語喉の最終部分にあるドリルで、単語と単語をスムーズにつなげ、文全体をあたかも一つの文章として読めるように、練習してください。参考 わざと音量を特定の単語で上げたらどうなる?史上初のこころみ。

http://www.estat.us/blog/testaccent.wav

 

 

 

 

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知識の考古学

一体、いつ、英語では単語によって強く読む場所があるという「言説」が誕生したのだろう。私は、この10年のうちに誕生したのではないかという仮説を持っている。  確かに、昔から試験では問われていた問題である。会話文をあたえられ、ある文に線が引かれる。そして、どの単語が強調されるかが問われる。  受験生は、そういう問題は、姿を変えた読解問題だということを体験的に知っていた。実際、そういう問題を解くさいは、前後(というか前)の意味を理解したうえで、どの単語が、その文で一番大切かを考える。すると答えがでる。だが、まさか、本当に、英会話において、その単語を強く読むという発想は受験生でもなかったと思う。  私は中学のときからいわば英語オタクだった。中1のときから、ラジオ講座を聞いていた。大学時代は、英文科だったので、音声学の教科書も読んだし、暗記もした。学部の交換留学をしたときは、言語学の授業を熱心にとった。クラブ活動でESSをやっていたから、英語を勉強している学生の中にいた。  ところが、「文のなかに強く読む単語と弱く単語がある」という発想を一度も聞いたことがなかった。はじめて出くわしたのは、数年前、発音学習系のサイトを見たときだ。またそれをきっかけに、いくつか発音関係の本を読んだ。どれを読んでも、強く読む単語と弱く読む単語がある、、、ということだった。  この発想は90年代、あるいは今世紀に入って、形成された言説ではなかろうか。日本に住んでいないので、昔の英語発音の教材を調べることができない。  そういうことはある。歴史のある時点で突然新しいことが言われだす。なぜそういう言説が起こったのか、社会的要因は何か?  こういうことを研究することもできる。知識の考古学である。 

盗み聞きをしてしまった件

1231 今週末のセミナーの募集です。とりあえず英語の音が聞こえるところまで行きましょう。 http://www.doodle.com/bpxmkqvv8ufgtktm   MASA RADIOが益々盛り上がっている。 MASAさんが、相手のパーソナリティーを引き出しているようで面白い。 http://audioboo.fm/boos/394083-masa-radio-talking-to-cheerful-yuyu http://audioboo.fm/boos/394141-masa-radio-talking-to-emily-again また、タイの日本語教師さんが、英語ができなかった中国人の人が短期間で英語ができるようになっていくのを目撃されているのが面白い。あと、http://thainihongo.seesaa.net/article/211369507.html に書いてあるのだけど、聞くことができるようになったら単語が自分のものになるスピードが速いとあるが、これは本当だと思った。 聞き取りが出来ないと単語の暗記は単語集とかに頼ることになる。あるいは読んでいて字として勉強する、、、まあこれは普通日本人が中学高校とやることだ。 しかし聞けるとテレビなどをぼ~と見ていても、単語を覚えることになる。 そういえば、私は英語喉前からアメリカ英語がそれなりに聞けていたが、辞書はもう20年ぐらい調べたことがない。耳で聞いていて、何回か出てきたら、なんとなく覚えてしまう。人の顔をおぼえるのと一緒だと思う。 やったもんさんもSKYPEで英会話をはじめられたようだが、とてもよいことだ。 さて、最近、電車通勤を週3回ぐらいはするようにしている。電車だと行きと帰りで10ドルぐらいだ(800円ぐらいか)。会社から一ヶ月に50ドルの手当てが出るのと、あと、税金の控除になるので電車は経済的だ。 自動車だと今1ギャロン(4リットル?)4ドル強だ。往復でおそらく2ギャロンぐらいかかるので8ドルぐらいかかる。だから自動車のほうが微妙に安いけど、電車のほうが補助が出るのでやっぱり安い。 駅から会社まで5分ぐらい歩いていたら、若い社員の男女が話をしながら歩いていた。自己紹介をしている。最初はどんな英語文法を使っているかと思って聞いていたのだけど、男性のほうの内容を盗み聞きをしてしまった、、、。 なんでもハーバードのプログラムである外国の学生たちと会議をしながら交流をするプログラムだという。 どこの国か、言わなかったのだが、それはきっと、最初から日本だというと、相手の女の子に、「この人は、きっと日本に行って、日本の女の子達にもてまくった類ね、、、」と思われるのがいやで、どこの国かは最初から言いたくないのかな、、、と私は思った。 そのプログラムは素晴らしく、その国の学生達と、エネルギー問題、国際情勢などについて話したという。 そして、アメリカ人とその国の若者たちとのネットワークができて、あとでその国を旅行したりとか、あるいはビジネスの話をしたりとかで、素晴らしい経験になった、、、。 このあたりで、私は、ありゃ、あの「日米学生会議」だと思っていたが、違うのかと思い出した。 <日米学生会議出身の友人がいるが、英語喉を紹介したら、「ネイティブのように喋る必要はない」で話が終わっている。> だって、日本人の大学生がこんな素晴らしいネットワークを気づくような関係になれるはずがないと思ったからだ。口発音では、そもそも相手の言っていることが分からないし、通じないし、また冷たいイメージになるから、友情を結ぶのは難しい。 先日もJETで2年間も日本に住んでいた元同僚が、「日本人の友達がいない」と言っていた(中国人や韓国人の友達はいる)。 英語喉をまだ知らないだろうからだ。…

聞き取り100%の件

1232 今週末の英語喉セミナーです。今回を逃すと7月の中半まで喉セミナーはありませんよ~~~。 http://www.doodle.com/bpxmkqvv8ufgtktm さて、英語喉で、すご~~~いと思った人は、きっと発音だけでなくて、音の聞き取りがよくできるようになった人じゃないかな。それも結構、短い時間で。 メカニズムははっきりしています。 1.今まで雑音として処理していた喉の深い響きの方に感心を向けたら、当たり前だけど聞けるようになった。 例えば、皆さんの部屋にクーラーがかかっているとします。クーラーは小さな雑音を出しているでしょう。でも、脳ってそれを雑音として処理するので、結構、聞こえてませんよね。でも聞こうとすると聞こえてくる。 今までIFとかいう発音を聞いても、その深い部分を聞いていなかったので、雑音にしか聞こえなかったわけです。あるいはSHE ISがSHEY-YIZみたいになるわけですが(喉発音なので勝手にYが生じる)、そういうのも雑音として処理していたら聞けませんよね。 2.シラブルはまさに、どこからどこまでが単位かを教えてくれるのです。シラブルを無視していると、音が大量にながれてきて、全然つかめないでしょう。例えば、 HOWAREYOUDOINGTHESEDAYS? と音が流れてきたとき、わけがわかりません。でもシラブルがあるということを理解すれば、 HOW-ARE-YOUD-DOW-WING-THEZ-DEIZ? とグループに分かれて頭に入ってきます。 だから、急に英語がゆっくりになったように聞こえるわけです。 このことは、結構、瞬間的に起こることで、誰にでも起こることです。 まだこれを経験されていないかたは、以下の工夫をしてください。 1.通勤のときなどに周りにある看板などの字を見て、ネイティブならどう読むかなとシラブル分けしてみる(3ビートに気をつけて)。 例 淀屋橋 --> YOD-DOY-YAB-BASH-SHIY 2.日本語をわざと3ビートで読んでみる。 3.実際にネイティブと会話する。ゆっくり、シラブルを大切にしながら喋る。 量をこなすから聞こえるようになるわけではありません。発想の転換で聞けるようになります。 よく女の人の横顔に見えたり、月面に見えたり(??でしたっけ)するような絵があって、最初は難しいけど、見ていると、見えるようになるのがありますよね。 ちょうどジーナの両親の家にも飾ってあるのだけど、一見、単なる木の彫刻で意味がないように見えるのが置いてあるのだけど、じっくり見ていると文字が見えてくる。一度、見え出すと、もう元には戻れない、、、というのがあるんですが、それに似ています。…

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