今日、ふと思うところがあって、ギリシャ人の同僚に聞いてみた。

 あなたの国の英語の試験には、アクセント問題が出るのか? と。 意味が通じるのにしばらくかかった。アクセント問題ということの意味が分かりにくかったらしい。大学試験では、リーディングと文法、それから口頭での会話の試験があるが、アクセントというのは、口頭のときに、判断材料になるかも?というようなことだった。

そうだ!というより、私が聞くものだから、多分そうだという感じの返事だ。アメリカ英語とイギリス英語だとまた違うから、、、とわけの分からないことを言っていた(アクセントにこだわる理由が分からないの、質問の意味がよく分からないのだろう、、、でも例をだしてきちんと説明した)。

ま、とにかく、 ギリシャには、日本の高校入試や大学入試に存在するアクセント問題はないのである。

アクセント問題とは、日本のセンター試験において、例えばNETWORKという単語を示されて、その単語のどこに強勢が置かれるかと問われる、日本特有?の問題である。強勢といっても、音程なのか、音の強さなのかは、曖昧にされている。そこまで指定すると、そんなことは存在しないと、音程や音量を機器で計測されて、誰かに証明されてしまうので、「強勢」とあいまいにしているのだろう(音声学者が、IPAの舌の図の意味を曖昧にしているのと同じだ。あの位置は、舌先の位置なのか?響かす位置なのか?曖昧なままにすることで、あの図が存続できているのである)。

さて、次に中国人の同僚に聞いてみた。今回は、言っていることの意味はすぐ通じたが、試験問題にはないという答えだった。授業のときに、ちょこっと先生が口頭で言うことがあるらしいが、それが試験において問われるということはないそうだ。

そりゃそうだ。中国人にとって、シラブルが大切なのは明らかだ。中国語でもそうだからだ。だから、強勢というのは、暗記をして試験をされるほど、大切なものではないということがすぐわかる。 韓国はどうなのだろうか? 韓国人もシラブルの存在を知っているのだから、きっと強勢の位置を問う問題はないのではないかと私は想像している。

 いちおう、もう少し聞きまわってみるが、思うに、日本人だけが、自分たちの英語が通じなくて、音が聞けない状態の切り札として、 アクセントが大切だと 思い込んでいるのではないだろうか?

 私が上でしたような会話を外国人とすれば、すぐに分かることなのだが、その会話ができないほど英語が通じないのが普通であるから、アクセントの位置が大切なのかどうかも、この300年、日本人には分からなかったのだ。

 そして、いばるわけではない。私が、英語が100%聞けて、英語が100%喋れますと宣言し、音声にしても、読むだけでなく、アドリブによるものをUPしたうえで、 アクセントの位置が大切ではないよ と言っても、信じにくい状態が日本にはある。

 私は大学のときから、外国人の友人がたくさんいた。それはアメリカ人だけでなく、韓国や中国、台湾の学生の知り合いもたくさんいて、よく話をした。 しかし、悩みは、だからなんなの?ということだ。 外国の文化、事情を知ることが、何か役に立つの?

そういうことがよく分からなかったが、ここにきていえることがある。 アクセント問題が存在するのは、日本だけ。 その外国との違いを理解することは非常に大切である。それで、自分たちのしている実践の評価ができるからだ。

 外国人が無視しているアクセントの位置。日本人も無視してよい。いや、英語喉をやり、ゲップエリアとアクビエリアを使っていれば、自然と音が自然にあるのである。

 さて、KAZYさんが中国語まで始められたらしい。私は、大学1年のときに、中国の学生に、コーヒーのみませんか?という表現を教えてもらった。 イーちーちゅーふーこーふぃー、はおま? だ。 これを英語喉以前、10年ぐらい中国人に言っても、全然通じなかった。しかし、通じないことを、私は、ギャグにしていたし、きっと四声の問題だろうと思い込んでいた。

つまり中国語には、音程が色々あって、同じマーでも、音程で意味が変わるというやつだ。 ところが、同じ表現を今、中国人に喉で、シラブルを正しく(1漢字=1シラブル)で発音して言うと、完全に通じるのである。 私は、正しい音程なんて知らない。でもつうじるのだ。 たぶん、シラブルさえ正しく読んでいたら、ある程度、音程を間違っても通じるのではないだろうか?

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アドリブ英語で喋ってみました。音声ファイルはここ。

www.estat.us/blog/akusento.mp3

 

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2 thoughts on “アクセント問題が存在するのは日本だけ?本当?

  1. アキ says:

    カズ先生、お世話になります。

    アクセント問題の解説が続いているので、私も思わず毎日書き込みしたくなります。私が高校生の頃までは試験にアクセント問題は出なかったですが、アクセントをやかましく言う英語教師がいたせいで、私は英語が大嫌いになりましたから。アクセント問題は、私の過去の日本式英語への恨み節です。(笑)  最近の日本の英語教育では、英語を話すことの重視という意味で、ますますアクセント問題が重要視されており、試験に頻出されるそうですが、これは日本の公的な英語教育をますます悪化させる元になるのではないでしょうか?

    私は5年くらい前から英語をたまに使う必要性を感じて、様々な発音教本など読んで練習したり、知人の英語教師に質問したりしましたが、どうしても楽に喋ることができませんでした。外人と喋って一応は通じることもありましたが、口が非常に疲れました。そうして英語を喋ることを諦めていましたら、小林克也さんが何かの雑誌上で、自分は発音教本なんかやったことはないと書いたのを見て、別の正しい発音方法があるのだろうと思っていた頃に、カズ先生の英語喉の本を書店で見かけて、騙されてみるつもりで少し練習してみると結構楽に喋れるようになったので、このブログも見て練習すると外人とも違和感なく喋れるようになり、本物だと確信できました。
    日本(ひょっとすると世界)の英語教育史上、三百年目のコロンブスの卵的な大発見ですか?

    アクセント問題の結論としては、現実的には、どうでもいいような些細な問題に過ぎないと考えて良いということですね?
    アクセント位置が重要だと吹聴する英語の専門家は、自分で英文を喋るときも、本当に個々の単語のアクセント位置を意識して喋っているのでしょうか? そんな芸当は、ネイティブでも可能か?
    よく考えてみると、そもそもアクセントとかストレスとかの実態は何かよく分かりませんよね。他のシラブルの母音よりもはっきり聞こえる部分でしょうが、それは音がより強く聞こえるのか、より高く聞こえるのか、どちらでしょうか? ひょっとして、アクセントの位置問題は、英語の喋れない日本人による、元々いい加減な妄想に近いものだったのか?

    改めて具体的にお聞きしたいのですが、

    desert と dessert、および differ と defer などのペアは、前の単語が前のシラブルに、後は後のシラブルにアクセントがあるというのは日本人の英語学習者には有名ですが、こんなことを英語ネイティブは意識してますか?

    私も喉をリラックスさせて英語喉発音で言うと、自然に上記のようなアクセントになるような感じが少しします。しかし、正直に言うと、必ずそのような正しいアクセント位置を守れるという自信はありません。それでも問題ないと考えて良いですよね?
    個々の音を正しく出すこと、および3ビートの原則を守ることだけが大切だと考えて、アクセントなどは自然に口から出るのに任せるだけで十分(アクセントは意識しない)ですよね?

    私も英語喉発音に少し慣れたせいか、自分が喋るときも、英語ネイティブが喋るのを聞くときも、アクセントなんか意識できなくなってしまいました。と言うか、ホンマに英単語にアクセントなんかあったんかいな?と思うようになってしまいましたが、これでも良いのでしょうか?

    ちなみに失礼ですが、カズ先生は、英語を話すとき聞くときに、大切な部分のアクセント(文法的に言う内容語の部分、メジャーセンテンスストレスなど)を意識できますか?
    英文における内容語と機能語の区別なども、文法的には確かに存在しますが、会話においては一々意識することは不可能だと感じますが。

    以上、よろしければ、ご回答お願い致します。
    また長文になって失礼しました。

  2. 上川一秋 says:

    アキさん、おっしゃっていることに対する答えは全てYESです。

    さて、最後の点ですが、私は英語を聞くときに、大切な部分の強勢など聞けません。というか、どこが大切かがわかりません。全てが大切です。

    上に書いたことの、どこが大切か自分でもわかりません。

    今日、天気が、良いです。

    のどこが大切なのでしょう?

    全部大切です。

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