「英語教育の明日はどっちだ!」松井孝志氏の三省堂英語教科書クリティークのレビュー

ブログ「英語教育の明日はどっちだ!」の松井孝志氏が、三省堂さんの英語教科書の内容をクリティークされていたので、実際の素材を見てみると、松井さんがおっしゃっているほど、悪くないと思ったので、三省堂さん擁護というわけではないけれど、クリティークのクリティークを試みてみます。

松井孝志氏のエッセイはこちらです。

http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20150830

三省堂さんの教科書の原文はこちらです。
https://www.sanseido-publ.co.jp/publ/kyouzai/h-english/sample/jeng_marumaru_samplecyoubun.pdf

まずは1段落め
Very young children often like to help their parents do housework. Many of them like being with their parents, so when the parents start something, their children want to help. But fewer parents expect their older children to say “I want to help you.” A study by a publishing company in the US has shown that the percentage of junior high school students who help with housework was 72% in 2009. At the age of 18, however, only 65% of students took part in housework.

松井さんの主なクリティークは「1文目と2文目のつながりがよくわかりません」でした。もう一度見てみましょう。
Very young children often like to help their parents do housework. Many of them like being with their parents, so when the parents start something, their children want to help.

Many of themは子供のことを指すことは、明らかではあるものの、1文目は長めであり、その他の複数形の名詞としては、親もありますから、Many of themと読んだ瞬間には確かに、子供なのか親なのか決定しません。With their parentsまで読んで、あ、子供だなと100%確定します。

非常に微妙ではありますが、確かに、1文目と2文目のつながりは、改良できるかもしれません、、が個人的には許容範囲であり、些細な点に思えます。

クリティークのクリティークとしては、松井さんが、ここで、なぜ繋がりがよくわからなかったかという原因が私には、うまく理解できませんでした(以下、松井氏を引用)。

「この本の第2文の中では、them, their parents, the parents, their children というように名詞の受け継ぎがスムーズに運ばないので、意味が適切につながらないように感じます。そもそも、start somethingの意味が曖昧であるために、helpの目的語の省略が生きるどころか、意味が不明となります。」

–引用終わり

「意味が不明」という箇所はないように思います。

次の松井氏のクリティークは「第3文の But が何と何を対比しているのかがよく分かりません。」というものでした。

Many of them like being with their parents, so when the parents start something, their children want to help. But fewer parents expect their older children to say “I want to help you.”

BUTは確かに厳密に言えば、直前の論理に対応すべき表現なわけですが、内容によってかもしだされた「雰囲気」に対応することもあり、特に、この素材のように軽いトピック、カジュアルな感じの筆運びの場合は、それで許容範囲でしょう。

コミュニケーションの目的は、スムーズに相手に物事を伝えるということですから、BUTを使って事実上、文の流れがスムーズになれば、それは機能的だということになります。
あえていえば、BUTが必ず、直前のある部分に対応する、、という考え方は、コンピュータプログラミングにおいては、エラーメッセージを出さないために、大切ですが、人間同士のコミュニケーションにおいては、その直前で言っていることの「雰囲気」に対して、BUTを対応させることは、正しいどころか、スムーズなコミュニケーションのためには大切といえます(ただし、こういうことは、日本語でも英語でも同じですので、意識して勉強する必要はないでしょう)。

さて、次ですが、以下に関して、、、
A study by a publishing company in the US has shown that the percentage of junior high school students who help with housework was 72% in 2009. At the age of 18, however, only 65% of students took part in housework.

私のまとめでは、松井氏は、中学生では72%(2009年)がお手伝いをするのに、18歳になると65%しかしない、、という指摘に対して、矛盾点というか、情報が丁寧でないということを指摘されています。

厳密に情報を丁寧にするなら、15歳では72%であるのに対し、18歳では65%、、という風に、一貫性を持って情報を提供すべきでしょうね。そして、どちらのデータも2009年なのか、あるいは、片方だけが2009年で、もう片方が2012年(?)なのか?など、考えると確かに疑問がわいてきます。

私の感じでは、この点を指摘されれば、考えてしまいますが、指摘されなければ、すらっと、著者のポイントだけを吸収して、次のセクションに読み進んでしまうと思います。
英語教材用のリーディングですので、フロー(流れ)を重要視したと考えても良いのではないでしょうか?

ライターさんは、パブリックドメインで入手可能なデータをゲットしてきて、素材文を作成しますが、自分でデータを集めるわけではないので、なかなか、自分の好きなように数値を使えないことがあります。

教材作成の「しばり」は生徒のレベルを考えて、語彙や文法の習得度を考えて、書きますので、文が微妙に長くなりがちになり、アラが目立ってしまうことかと思いますので、そこで、許容範囲か、自然か、文の流れがスムーズが、、などの点において、ライターさん、編集者さんがプロの判断を下されるのでしょう。

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