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知識の考古学

一体、いつ、英語では単語によって強く読む場所があるという「言説」が誕生したのだろう。私は、この10年のうちに誕生したのではないかという仮説を持っている。  確かに、昔から試験では問われていた問題である。会話文をあたえられ、ある文に線が引かれる。そして、どの単語が強調されるかが問われる。  受験生は、そういう問題は、姿を変えた読解問題だということを体験的に知っていた。実際、そういう問題を解くさいは、前後(というか前)の意味を理解したうえで、どの単語が、その文で一番大切かを考える。すると答えがでる。だが、まさか、本当に、英会話において、その単語を強く読むという発想は受験生でもなかったと思う。  私は中学のときからいわば英語オタクだった。中1のときから、ラジオ講座を聞いていた。大学時代は、英文科だったので、音声学の教科書も読んだし、暗記もした。学部の交換留学をしたときは、言語学の授業を熱心にとった。クラブ活動でESSをやっていたから、英語を勉強している学生の中にいた。  ところが、「文のなかに強く読む単語と弱く単語がある」という発想を一度も聞いたことがなかった。はじめて出くわしたのは、数年前、発音学習系のサイトを見たときだ。またそれをきっかけに、いくつか発音関係の本を読んだ。どれを読んでも、強く読む単語と弱く読む単語がある、、、ということだった。  この発想は90年代、あるいは今世紀に入って、形成された言説ではなかろうか。日本に住んでいないので、昔の英語発音の教材を調べることができない。  そういうことはある。歴史のある時点で突然新しいことが言われだす。なぜそういう言説が起こったのか、社会的要因は何か?  こういうことを研究することもできる。知識の考古学である。 

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なぜ知っている単語でも、聞き取れなかったのか(過去形 喉革命以前)

西洋人が「すし」という単語を知っていて、「好きです」という単語をしっていれば、「すしがすきです」という文章を難なく聞き取ることができる。  ところが日本人は単語は分かっていても、文章となり、聞き取りとなると、聞き取れなくなる。耳に音として入って来ないのだ。  これは3ビートのせいである。  例えばである。ISという単語は誰でもしっているはずだ。ところが主語がKAZかKENで、ISの聞こえ方が、喉革命を経験していない日本人には、変わってくるのだ。  KAZ IS、、、 だと、KAZ-ZISとなる。 KEN IS、、、だと、KEN-NIZとなる。  子音が前のシラブル(KAZあるいはKEN)から借りてこられコピーされるのだ。ZIZとNIZでは、全然違うのだから、ISを期待して聞いている耳には、聞こえてこない。  ところが、3ビートを知ると、耳が3ビートを期待して音を聞くようになる。もちろん発音するときも、3ビートで喋るから、3ビートを期待しているネイティブにも通じる。  聞けて言える、言えて聞けるという状態のなかで、どんどん英語を喋れば、ものすごいスピードで英語ができるようになるのだ。      ヨーロッパ言語の話者は、自分たちの言葉を喋るときでさえ3ビートなので、英語を勉強するときに上のことを知る必要はない。 英語だけではない。英語喉を通過すると、他の言語、例えばフランス語、ロシア語などでも、意味は分からなくても、ある程度の正確さをもって、言われたことが繰り返せるようになる(書けといわれれば、書ける感じ)。

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アメリカで大人気のドラマ HEROES

なぜ喉の発見に数百年もかかったのだろう。「喉」でも触れたが、次のことがいえる。  1.                    喉話者には、口言語が口言語だとすぐに分かる。 2.                    口話者は喉言語が喉言語であることが分かりにくい。 わかりにくいかもしれないので、数回、繰り返して読んでみてほしい。喉話者とは例えば英語ネイティブのことである。口話者とは、東アジア系言語の話者であり、例えば、日本語話者を指す。 もう少し説明してみる。 喉話者は口発音をすでに知っているのだ。 喉話者は、喉を響かせて発音するが、口も少し(10%ぐらい)は響かせている。「大は小をかねる」ということわざしか浮かばないが、喉発音はここでは「大」である。英語喉にも書いたが、ネイティブが風邪をひくと、口発音ぎみで喋ることがある。だからこそ、口発音の存在を知っている。 ところが、口話者にとって、喉は未開の地である。口に意識があるため、喉はいわばブラックホールだ。まさか、喉が発音の90%をになっているなど、これまで想像もつかなかった。 さて、日本語と英語のバイリンガルの場合どうなんだろう。現在、米国で大人気のドラマでHEROESというのがある。その中でも人気者の日系俳優の岡さん。英語も日本語もネイティブである。岡さんの映像をYOUTUBEより引用する。 http://jp.youtube.com/watch?v=Ig9dBT8CSOo 注目してもらいたいのは、岡さんが、HIRO役をしているときは、日本人を演じているわけだが、完全に口発音でせりふを言っている。英語の台詞も口発音である。 ところが、来日のさいのインタビューでは、日本語をなんと喉発音で喋っているのである。(当然であるが、英語ネイティブでもある岡氏は普段は英語を喉で喋る。) つまりこういうことである。岡氏は日本語を普段喋るときは、本人は気付いているかどうかわからないが、英語と同じ喉発音をしている。立体的な深い声である。 ところが、日本人の役作りをするときには、何の苦労もなく口発音に移行するのである。 つまり、喉発音―>口発音の移行は簡単なのだ。上に述べたように、大は小を兼ねているからである。 ところが、口発音から喉発音への移行は、日本人が英語を学びはじめてから数百年、起こらなかった。意識になかったからである。 口発音と喉発音を比べたとき、口発音こそが、技術的にみて、高度であるといえるかもしれない。喉発音は、生物の発生法のDEFAULTであるが(上のYOUTUBE映像で、最初に登場する子供でさえ喉発音だということを確認してほしい)、口発音は、「凝った」発音法である。 もちろん、どちらが優れているということではない。喉発音の秘密が暴かれた今、喉言語は喉で、口言語は口で発音すればよいのである。気分転換のために、岡さんのように、喉で日本語を喋ってもいいだろう。 参考 岡氏の英語  http://jp.youtube.com/watch?v=5AJNi7ownac 喉のきしむような音が聞こえるだろうか。 岡氏だけでなく、他のネイティブのキャストも喉から「きしむ」ような声を出している。女性もそうである。

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