May 19, 2009

豆腐? 布団?

国家の品格の藤原さんが、本の中で、TOFUはTOにアクセントを置いて発音するとネイティブに通じると言っている。またFUTONはFUにアクセントを置くべしと言っている。 これは厳密にいえば違う。ネイティブはTOFUのTOもFUもだいたい同じ強勢で発音しているというのが真実だ。またFUTONにしてもそうである。 ただし、実際問題として、確かに日本人が日本語英語でもって、藤原さんのいうような感じで発音すると、そうしないよりは通じるのは確かである。 ところがそれは、藤原さんや、あるいは従来の発音指導者のいうような理由からではない。 実はシラブルとビートの問題なのである。 TOFUを日本語風に発音するなら、微妙に3音節となる。 とおふ という感じである。 ところが、日本人がトを強調して読めと言われると トーフ という感じで、2シラブルに近くなるのである。 結果、ネイティブが発音するTOFUとたまたまシラブル数が同じに(近くに)なるのだ。 だから、ネイティブがカロウジテ、理解してくれるのである。 FUTONもそうだ。FUを強くいうとたまたまTONに意識がいかないためか、2シラブルになる。日本語のままだと、ふとんでンが微妙に1シラブルを構成するので、3シラブル(というか2、5シラブルというかんじ)となる。  それほどシラブル数は深刻な問題なのだ。 巷には、多くのトンデモ発音本が存在するが(英語喉もそう誤解されるが、、苦笑)、よくカタカナでOKというアプローチがある。例えば、 How's it going? ハウズゴン? といえば通じるとか、 GET UP を ゲラ と言えば通じるというアプローチである。 これは、音が似るから、ネイティブが分かりやすくなるというのではない。 たまたま、そういう言い方をするならば、シラブル数が同じになる。だから、オリジナルのカタカナこてこて発音よりも、シラブル数に限っていえば、似てくるということである。 それほどシラブルの数は大切な問題なのである。 WATERをワラといえば通じるというが、それは決して個々の音が、ネイティブ音に近づいたわけではない。 シラブル数が同じになったというだけである。 WATER->2シラブル ワラーー>2シラブル ね?  というわけで、機関銃英語が聞き取れる!は、そのシラブルを徹底的に練習してもらうということなのだ。 さて、トンデモ発音本という言葉を使ったが、このワラだなんだというアプローチは、まだまだ良心的である。少なくとも、実体験に基づいており、WATERをワラといえば通じるとか、WHAT TIME IS IT NOWを「掘った芋いじるな」といえば通じるという、非常にユニークな実体験に基づいているからだ。実際に、実践者が、ワラといえば、通じるのである。 逆に、イントネーションの位置とかアクセントの位置を押すアプローチは、そういう実体験がないのに、推進され、学校で教えられ、試験にも出されているという問題がある。 確かに、実体験といっても、海外のレストランに行き、何かを注文し、一生に一度ぐらいは、アクセントの位置を変えたら通じたということがあるかもしれないが、実際の日常会話でアクセントを変えたら、がんがん通じたとかいうことは起こらない。また強いところを待って、真剣に聞いたら、聞き取りがうまくできた(あるいは少しはよくなった)などという経験をした人は、まだ存在しないだろう。 ちなみに、昨日、じゃあやってやろうと思って、人の話を聞くときに、強く発音する単語にフォーカスしたら、逆に気が散って、相手が何を言っているのかがわからなくなってしまった。 それには理由がある。 会話というと、結構、五月雨(さみだれ)式に、いくつかの文?みたいのが投げつけられてくるのだが、2,3秒のうちに、それが投げつけられてくると、どの単語が強かったかなんて、考えている暇がないのだ。 そもそも、考えてほしい。皆さんはこの私の文を読みながら理解している。この文字にいちいちアクセント記号をつけていない。でも理解できている。それは、読んだときの、音の上下とか、音の強さなどは、理解にあまり関係しないということなのだ。 英語でも同じだ。 THIS IS A PEN と書いて、 上川さん、ちょっと、アクセントの位置の記号を書いてもらわないと書いてあることがわかりません、、、 などという人はいない。 「あ、わかりました、私の一番いいたいのはPENのところですから、こう直しましょう。」 THIS IS […]

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