October 30, 2008

肺をも意識して喋るなんて不可能

  喉発音と3ビート(シラブルの正しい読み方)を完全にマスターするためには、オープンマインドが大切だが、オープンマインドを実践すると色々なことが分かってくる。 喉の実践者さんに挑戦してほしいことがある。それは自分の持っているパラダイムをバラバラにしてしまって、それから再構築することだ。 いわば、ディコンストラクションである。 その道具は簡単である。自分の信じていることは、世界の人も信じているのか、あるいは世界中で日本人と韓国人だけが信じているのか。これがキーポイントである。これを試金石として使ってほしい。 例えば、Sを鋭く発音する。これはどうだろう。鋭く発音するとは、息を速くすることだ。そうしないと鋭く発音できないわけだから。会話中に肺活量を調整しながら喋る。 これが可能と思っているのは、世界中に、おそらく日本人と韓国人だけだ。 肺をも意識して喋るなんて不可能なので、当然、英語がぜんぜん喋れないという当然の結果を産んでしまう。中学高校と少なくとも6年勉強しても英語ができないのには理由があるのである。Sを鋭く発音しながら英語を喋るのは、Mが出てくるたびに、ケツをかけと言われて、英語を話しているようなものなのだ。 Sだけではない。横隔膜を使えとか、舌を丸めろとか、わけのわからんことが言説として形成される。そういうことを本気にとってがんばって、がんばるほど、我々は英語が喋れなくなるのだ。 大切なことにエネルギーがいかないので、全然喋れないという状態がうまれる。 そして正しい発音をしないからしないほど、ネイティブの先生がおおげさに発音をしめそうとするもんだから、本当に息があらくなり、Sが強く発音されているように感じるだろう。 このように極東の極端な口発音言語話者だけに信じられている、語られていることを言説、ディスコースと呼ぶことにする。 多くの場合、ディコースは、権力関係の中で使われる。権力を持つものが、持たないものに対して発されるのが言説である(いつもではないが)。 たとえは、Sを激しく発音するというのは常に先生から生徒に対して発せられる言説である。そして、その言説は常に、やっても効果がないという点が特徴だが、それでもまじめにやらないと先生に怒られてしまう。 日本と韓国には(北朝鮮もだろうが)、非常にリジッドな言説形成が起こっている(だから韓国で売れた英語教材をそのまま日本語にしても売れるのである。東欧の国では、元々、喉発音と3ビート言語なので、必死こいて英語を勉強していない)。 この言説の監獄を我々はどのように脱出できるだろうか。

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