January 2008

リエゾンとは一体なんだったんだろう

リエゾンがあるから、英語は難しい、、、というような感覚があるが、リエゾンとはなんだったんだろう。 3ビートはネイティブが実際にしていることであるから、理論と呼ぶのも、気が引ける。ただ単に全てのヨーロッパ言語話者がしていることだ。あまりに当たり前すぎて、これまで誰も考えなかった。なぜなら、日本語話者以外のほとんどの人には、あまりにも当たり前な現象だからだ。 3ビートが発見されるまでは、人々はリエゾン、、、という概念を使って音がつながる現象を説明していたが、それにもちぐはぐさがあった。カタカナで考えて、音が変わる、、、と思われるところだけをリエゾンと呼んでいたのである。 例えばTAKE IT EASYはカタカナ英語で書くと、テイクイットイージー。聞いたとおりをカタカナで書くと、テイキティージー。テイクイットの「クイ」のところが「キ」にあってるぞ!!!というところを説明するために、リエゾン、、、という概念が借り出されていた。 ところが、それはただ単に日本語で考えたときに、大胆なカタカナ表記と、耳で聞いたとおりのカタカナ表記に違いがあるときだけ、借り出されていたのではないか。 3ビートで考えると、とにかく、全ての音はあるパターンをもってつながるのである。子音ー母音ー子音をスムーズな塊とし、今度はその塊をスムーズにつなげていけば、全てのシラブルがリンクしていくわけだ。 だから、日本語の感覚で音が変わったとこだけ、リエゾンだ!と今までは理解して納得していたわけだ。 さらにリエゾンは単語と単語の間だけに起こるとされていた。 実際は、シラブルとシラブルのあいだがスムーズに読まれ、連結部がスウィングとフォロースルーとして読まれる、、、、これがまあ、リエゾンといえば、リエゾンだが、3ビートのおこすメカニズムであるわけだ。 とにかく、今後は、ここがリエゾンだ、、とかここはそうじゃないとか、考える必要がなくなった、、、とういことだろう。 これまでの指導法として、ここはリエゾンですから注意しましょう、、、とか言われても、それは発話を聞いた後なのだから、どうしようもなかった(すでに音声が終わっているため)。またリエゾンを予期しながら聞く、、、というのも、何億もある単語の組み合わせを暗記することは不可能だった。  

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そんなことは一言も、1音節も言っていない

今朝、テレビにTV心理学者のDR PHILがでていて、なぜ有名歌手BRITNEY Sの病状を公で発表したのか(家族の了解なく)、ということの非難をあびていた。そのときに、こんな表現で言い訳をしていた。「私はそんなことは一言も、1シラブルも言っていない、、、」。シラブルというのはこのように日常会話の表現でも使えるのか、、、と思った。 で、チャンネルをかえる日本語のテレビニュースをやっていた。朝の1時間だけ日本語の放送が(ケーブルで)あるのだ。そのときにニューヨークでの取材で日本人のインタビュアーがアメリカ人にあることを英語で尋ねると、そのアメリカ人は、ものすごいロボティック(おおげさで、単語単語をきりながら読む)な英語で、何かを答えていた。 なるほど、これが我々が長い間、手本として真似てきた英語なのか、、、と実感した。アメリカ人のほうにはなんの悪気もないが、口発音の英語を聞いて、「あー、この人にはゆっくり、音をぶつ切りにして答えてあげないといけないな」と無意識に感じ取り、ロボティックな英語を返してくるのである。 ところが小林克也氏とか、渡辺謙氏に対しては、ネイティブが非常にリラックスしたかんじ、自然な感じで、英語をしゃべってくる。そしてそういった英語こそ、我々が手本にすべき英語なのだが、そういう英語は、喉+3ビートでやって初めて、相手から聞ける英語なのだ。個々の音をそれほど厳密にする必要はない。だって、英語でさえ色々な変種があるのだから。

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個々の音がどうしてつながるのか

英語の個々の音にはライフサイクルがある。 そしてこれらの音が子音ー母音ー子音とスムーズにつながることで一つの塊になる。そしてその塊と塊がスムーズにつながっていくことで今度は単語になったり、フレーズになったり、文になったりしていく。そのスムーズさの秘密が3ビート理論に出てくる概念であるスウィングとフォロースルーである。しかし、このスウィングとフォロースルーは喉発音し、ボンボン(3ビート)のリズムに合わせて読んでいれば、自然と起こること。 これまでどのように個々の音が、流れるようなつながりになるのかが、解明されていなかった。しかし、喉+3ビートで誰でも、個々の音を再現しながらも、流れるようなつながりを再現できるようになった。 大きな発見は、色々あるが、個々の音にライフサイクルがある、、、ということの発見だったと思う。これはネイティブの共著者が発見したわけだが、自分で、独力で発見できたかどうか、、、絶対的に自信がない。 発音記号というのは、字なので(例えばリガチャーA)、印象的に一瞬をとらえているような感じがする。だから、音の全体のライフサイクルを伝えることができない。ただし、ヨーロッパ人が発音記号を読むときには、問題がない。例えばフランス人は、1字をみせられて、これが発音記号ですよ、、、と説明を受けても、その字をフルのライフサイクルを持って読む。というのは、ロボットのように、一瞬的に短く読む理由がないのである。だから、発音記号は、ヨーロッパ系の人たちにとっては、便利が悪いということはなかった。 個々の音にライフサイクルがある、、、という発見が、次の発見、つまり、音の半分だけが読まれる、、、という発見につながった。 従来のアプローチはどう説明していただろうか。例をあげたい。従来はLの発音にもダークLとそうでないLがあると言われていた。例えば、HILLのLはLIKEのLと比べてなんとなく暗い感じがする。だから、従来は、少なくとも2種類のLがありますよ、、、と説明していた。 実は、そうではなくて、HILLとLIKEではLの現れる位置が違うため、他の音との関係上、Lのライフサイクルの現れ方が違ってくるのだ。HILLであれば、シラブルのなかでスウィング(音の前半)として現れる(強調のためフルに読んでも間違いではない)。LIKEでは、Lがフォロースルー(音の後半)として現れる。 つまりLのフルサイクルでも、シラブルのどこで現れるかによって、その音の前半が読まれるのか、後半が読まれるのかが、違った、、、ということなのだ。 従来のアプローチはこれらの音を異音となずけ、分類し、学術的に納得してしまっていた。ところがこの知識を実践に使うとなると、なかなか難しい。暗記しておかなければならないからだ。暗記したものを実践に使うのは、事実上、不可能で、それにこだわっていると喋れない。   だから、逆に、そういう知識に頼ることなく、音を耳で覚えるアプローチが喉革命以前は、最も効果的だったわけだ。実際、本当に英語が喋れる人は、殆どの場合、実地で喋って覚えた、、、という人が多い。あえていえば、私の経験では、洋楽を聴いていた人が英語がうまいケースが多いと思う。シラブルということを無意識のうちに体得していったのだろう。 逆に喉のやりかたは、喉をリラックスしておいて、3ビートをすれば、ほっておいても、かってに起こる現象、、、それがスウィングとフォロースルーである。 ただ、従来の分類がまちがっていた、、とはいえない。実際、ダークに聞こえるLならば、それをダークLと呼んでもよいと思う。ただ、なぜダークLと呼ばれる現象が起こるのか、、、に一歩踏み込むべきだっただろう。語の最後にくるとそうなる、、、という説明はあったが、実は語だけではなく音節の最後でもそうなる、、、というあたりも踏み込んで考えると、発見にいたったかもしれない。 また、この現象はLだけでなく、他の音の全てにおおかれすくなかれ起こることだ。ただLが一番気がつきやすいということだったのだろう。例えばSでも起こっている現象なのだ。ただし、Sは最初から最後まで均一の音がつづきがちな感じがするので(印象的に)、このスウィングーフォロースルー現象について、人々が気づなかった。 Lだったらこうなる、Rだったらこうなる、、、と分類化?に分類化がすすんだ結果、その複雑きわまる現象の背後にあるシンプルなメカニズムに関心がいかなかった。 また日本文化には、「奥が深い」とか、「学問に王道はない」、「地道に努力するしかない」、「こつこつやっていくしかない」という感じの謙虚な態度がある。だから、王道ともいうべき3ビートの存在を認めてはいけない、、、という感じの無意識の態度があったのではないだろうか。これは私自身のことなのだが、まさかリスニングを上達させてくれるようなメカニズムがあるなんて、想像もしていなかった。 脳のイメージだと思う。脳は、何かをマスターするとき、スポンジのようになにかを学んでいく、、、ってかんじのメカニズムがある。やって、やって、やりつづければ、なにかミラクル的なことが脳に起こり、マスターしていく、、、というイメージを持っていたから、まさか3ビートのような理論的な枠組みがあるとは思ってもみなかった。

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