同じバイリンガル(日本人)でも、海外、例えばアメリカに住みだしたときの年齢で、英語の発音に違いが出ることがあるようだ。小学校低学年だと、現地の発音をそのまま身につけることができるが、それよりちょっと年齢がいっていると(ちょっとといってもどのくらいかは分からないが)、日本語の影響を受ける。

結局のところ、喉が原因ではないだろうか。もちろん経験研究の報告を待たなければならない。

日本人でも幼いころは、喉から声をだしている。甘えたような声になるから聞けば分かる。幼稚園では、年長組でもそういう声を出していると、友人関係がうすいのではないか、親が甘やかしているのではないか、ということで、先生たちがあわてて指導する、、、という話を聞いた。

幼い子供は元々喉で日本語でも発音しているのだから、当然、喉言語である外国語の発音は簡単にできる。喉で真似れば、どんな言語の音でも出せるからだ。

逆に、一旦、口発音に移行したあとは、どんな音の発音でもカタカナ発音になってしまう。水戸黄門を思い出してもらえばわかるが、「笑い」でさえ、カタカナになってしまうほどである。当然、英語の発音を口で発音することは不可能となる。

従来の知のパラダイムではCRITICAL AGEというのを設定していて、ある年齢になるとネイティブとしての言語習得は無理ということになっているが、発音聞き取りという側面に関して、CRITICAL AGEと「喉発音から口発音への移行*」の関係について研究がすすむと面白いだろう。

*以下の牧野氏のご指摘で直しました。オリジナルでは「口発音から喉発音への移行」と間違って書いてしまっていたので。

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2 thoughts on “なぜ子供は英語の上達が早いのか 帰国子女のケース

  1. 牧野武彦 says:

    critical age ではなく、critical periodという言い方が普通だと思いますが、いずれにせよこれは作業仮説であって、これが存在すると断言しているわけではないでしょう。あるかないかについて、研究が進んでいるところです。一部では、criticalというのは強すぎる、sensitiveだという説も出ていますね。

    一つ分からないんですが、KAZさんは、西洋人は一生喉発音、日本人は喉発音→口発音と変化するという考えを唱えていらっしゃるんですよね。それなのに、何故、逆の「口発音→喉発音」のcritical/sensitive periodを問題になさるんですか。

    いずれにせよ、喉発音と口発音の区別はKAZさんとジーナさん独自のもので、ほかにこれを受け入れている研究者はいないと思うので(ぼくは、はだかの王様の服のようなものだと思ってますが)、やるならご自分でなさるしかないでしょうね。

  2. 牧野武彦 says:

    KAZさん相手だからついルースに書いてしまいましたが、音の強弱というのは、アクセントの有無のことです。
    僕は、英語のアクセントが音の大きさ(volume/loudness=聴覚上の用語。音響的には、強さintensityと言う)によるものだという考え方には与しません。僕の本をお読みなら、そのように書いてあることはご存じですよね。ですから、音の強さでアクセントの区別が付けられている例を示すことはできません。通常の発話ではそういうことはないのですから。
    あと、音自体のことを証明するのに、どうして動画が必要なのか、理解できません。調音のうち、外から見える一部についてだったらいざ知らず。音声ファイルで十分じゃないですか?
    この辺の例でも使ってみてください。体系的になってますよ。「自発的な発話ではない」と文句を仰りたくなるかも知れませんがね。
    http://www.phonetics.ucla.edu/course/chapter5/grammatical%20influences.htm

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