ネイティブメソッドの歴史

ネイティブメソッドはどのようにして生まれたのでしょうか。


日本人著者は、従来の方法は、「やってもできない」という点がおかしいと感じました。うまい説明さえ開発すれば、ものすごい量の練習に頼ることなく、誰でも発音ができるようになるはずだと信じました。

その説明の開発のためには、なぜある音がある音として出るのかを真剣に考える必要があると思いました。従来の説明は、例えばRを発音するのに、舌をこのように動かせという説明はあっても、どうして、そう動かすからRの音がでるか、、、という視点に欠けていました


なぜある音が、その音として出るのか、、、これ(つまり物事が起こるメカニズム)を突き止めさえすれば、日本人でも、そのメカニズムが作動するような形で意識して口を動かせばよいのだと考えました。(まちろん口にフォーカスしたことは間違いだったことが後で分かりました。口は音の出口だし、聞いている人の耳に距離的に近いので、口で全てが発音されているように聞こえたのでしょう。)

メソッドが正しいかどうかのテストとしてネイティブに聞いてもらい、ネイティブとまったく同じ音が出ていれば成功だと考えました。が、どうがんばっても、ネイティブとまったく同じ音が出せませんでした。


アメリカ人著者は、従来のメソッドには、なんらかの根本的な欠陥があると感じていました。もともとの言語学的な説明は、西洋人が開発したものです。従来の説明は、舌や唇の動かし方を説明するものでしたが、なにか根本的な説明が抜けている、、、。なにか、西洋人が当たり前のこととしていることが説明されていない、、、と。

例えば、日本人著者がRの発音を巻き舌で発音する音を聞くと、確かにネイティブに近い音は出るものの、ネイティブの音と同じではありませんでした。何かが、欠けているけれども、それが何なのかはわかりませんでした。(また自分がネイティブなのに、Rのときに全く舌を動かさずにRの音を出していることが不思議でした。)

とはいえ、日本人著者が考えたのと同じように、正しい方法があれば、結果が少しの練習で現れるはずだと考えました。自転車に乗れるようになるのと同じようにです。従来のメソッドは「発音の習得には長い時間をかけて、口の筋肉を鍛える必要がある」と言いますが、これは何かがおかしいと感じました。


アメリカ人著者は、従来の音声学は、音の分類にこだわった学問であるように思えました。英語発音教育に応用されているにもかかわらず、、、。実践的に、誰でも、無意識のうちに発音ができるようになるために、音声学が有用な知識を提供しているようには思えませんでした

アメリカ人著者の視点と、日本人著者の視点が交差したことで、ネイティブメソッド誕生へのきっかけとなったといえます。

日本人著者のアプローチには無理がありました。日本人として、日本語の考え方に影響されながら、英語を考えていたのです。

アメリカ人著者のアプローチにも無理がありました。アメリカ人として、英語の考え方に影響されながら、日本語を考えていたのです。

そこで気がついたのは、どちらの視点から見ても、何か根本的におかしいものがあるということです。英語を日本語の視点から見ても正しい答えはでてきませんでした。日本語を英語の視点からみても正しい答えはでてきませんでした。

例をあげます。HATという英単語に登場するアに似た英語の音をつかまえて、「この音は日本語のアとエの中間だ」と説明しても、正しい発音ができないのです。TAKE IT EASYがテイキリージーに聞こえます、、、とカタカナに置き換えてもラチがあきません。自分の言語を適当に借りてきて、他の言語の音を説明することは、不可能なのです。究極的には英語と日本語が違う言語なのですから。

日本人が英語の音のメカニズムを理解するために、本当に必要だったのは、西洋人の観点にたって、西洋の言語を考えるという視点でした。英語のことわざに「人の靴をはいてみる」というのがありますが、自分ではなく人の立場から物事を考えるということです。その人のことを本当に理解したければ。

英語を理解するには、英語話者の靴をはいてみる必要があったのです。ただし、困難がありました。英語話者の靴は、見えない靴だったのです。喉発音と3ビートは西洋人にとってしても、あまりにも当たり前すぎて、意識のうちにないほどでした。

喉の発見
しばらくは、従来の音声学がそうしたのと同じように、口の中だけを考えていました。舌をこう動かしたらLの音が出るとか、Rの音がでるとか、、、。口の前、中央、奥のほうで音を響かせれば、英語のある様々な音を区別できる、、、とか。ところが、すべての試みは失敗しました。どういう方法を試しても、ネイティブと同じ音が出ませんでした。なんらかの拍子で、正しい音が出るかもと、やけになって、めちゃくちゃにやってみてもダメでした

日本人著者は、アメリカ人著者に問い続けました。何が違うのか。どうやったら、ネイティブと同じ発音になるのか、、、と。

あるとき、「口ではないのではないか、、、」という考え方がアメリカ人著者にわきました。これだけ口の中の動きを考えても、何一つ成功しなかったからです。そういえば、日本では舌を動かして発音するとされているRの音を、自分は舌をまったく動かすことなしに発音していることなどにも気がつきました。

口ではなければ、、、、どこ?

アメリカ人著者はその答えが喉だということに気がつきました。喉で発音しなければ、ネイティブと同じ音が出せないということがわかったのです。

そういえば、日本人の声は平たく、ネイティブの声は、深く、立体的な響きがします。それは単に声が違うだけでしょ、、、と言うことはできません。立体的な響きは英語の個々の音に、明確なアイデンティティを与えているからです。ネイティブはその独特の響きを聞いて、それぞれの音を、認識するのです。

また響きだけの違いじゃないか、、、と言うこともできません。英語に存在する音の違いは、喉によって発音しないと作り出すことができないのです。筋肉に覆われた柔軟な喉は、使いかたさえ覚えてしまえば、色々な音を出せる素晴らしい楽器なのです。

さらにアメリカ人著者は、喉は喉でも、発音エリアが一つではないことを突き止めました。

口で発音してしまうと、どんなにがんばっても、例えばHOTとHUTの違いを作り出すことはできないのです。喉・首のどこを使って音を真似るのかを知らないと

喉発音であることは子音でも同じです。LとRで考えてみましょう。舌を口の屋根に当てようと、巻き舌にしようと、口で発音された日本人のLとRは、ネイティブの耳には、それほど違って聞こえません。

LとRは喉の違う部分で発音されるため、音色が全く違うのです。一度、それに気づくとなぜ以前、発音できなかったのか、聞けなかったのかが不思議なほどです。


もちろん、様々な方法で、喉発音が真の方法であることが確認されましたが、著者がなるほどと思ったひとつの例を紹介します。

日本人は、歯医者にいくと、治療中は、ほとんどしゃべることができません。当然、歯医者さんも、治療中で、口をあんぐりとあけている患者に答えを必要とするような質問をしないでしょう。

ところが、アメリカの歯医者さんは、治療中でも、話しかけてきますし、患者も口をあけながらでも、答えることができます。もちろん、やや聞きにくいことは確かですが、西洋人は、舌や唇がうまくつかえなくても、喉だけで、意思疎通が可能なレベルの会話をすることができるのです。西洋人は、、、というより日本人を除くほとんどの言語の話者は喉話者(THROAT SPEAKER)なのです。

ネイティブメソッドの歴史を皆さんに理解していただく上で一番大切なことがあります。それは、「喉発音が西洋人にとって、あまりに当たり前すぎたからこそ、西洋人自身が無意識であった」ということです。あまりにも当たり前すぎて、説明をすることさえ思いつきませんでした

西洋人が西洋の言語を学ぶうえでも、この説明をわざわざする必要がなかったのです。西洋言語においては、あまりに当たり前のことだからです。ですから、西洋人は、口の動かし方などは適当でも、音を聞いて、喉から真似るだけで、自分の母語でない西洋言語をマスターすることができるのです。

西洋人が他の西洋言語を学ぶときには、発音にも聞き取りにも、それほど苦労しません。いや、アメリカ人がフランス語をしゃべるときに、なまりがあるぞ、、、とおっしゃるかもしれませんが、同じ喉発音なので、少々のなまりがあってもまったく問題にならないのです。根本的には、どの西洋言語も喉発音だからです。

3ビートの発見
3ビートが発見されたきっかけは、アメリカ人著者が、日本語を学ぶ過程で日本語のシラブルが明らかに英語と違うことに気づいたことです。本書では日本語は、基本的に子音―母音を1シラブルとした2ビート言語ですが、英語は子音―母音―子音(つまり3つの音)をシラブルとした3ビート言語です。シラブルとは、一拍でよむ音の単位です。

日本人学習者の立場からみると、子音―母音―子音のパターンが当てはまりそうにない単語がたくさん英語にはありますが、アメリカ人著者は、辞書を片手に、すべての単語のシラブルが、このパターンにはまるということを発見しました。またシラブルとシラブルの間をスムーズに読むテクニック、スウィング、そしてフォロースルーをアメリカ人著者は発見しました。

全ての単語のシラブル分割を覚える必要はありません。アメリカ人著者が、誰でも分かるある原則を発見したからです。MANやPENなどは子音ー母音ー子音のパターンに簡単にはまりますから、問題はありません。

でも例えば、TALENT(才能)はどうでしょうか(TALは子音ー母音ー子音ですが、ENTの部分はどうしますか?子音ー母音ー子音にあてはまりません。SPRINGはどうでしょう。子音ー母音ー子音にあてはまりません。答えは本書を参照してください。

おびただしい数のシラブルのパターンを覚えてください、、、ということではありません。おびただしい数のシラブルを、たった一つの原則で説明します、、、ということです。どんな単語を見せられても、どんな文章でも、シラブルを一拍づつで読んでいくことができるようになります。

それが3ビートです。


3ビートは、当たり前のごとく西洋に存在しました。

西洋において、言葉を子供に教えるときに、まずはシラブルから入るほど、あまりにも当たり前であり、また言葉を覚えるときに、もっとも大切なコンセプトです。また、ネイティブの子供なら、誰でもシラブルを知っています。BYCYCLEには何シラブルがありますか、、、とか、この単語をシラブルに分けてください、、、という質問に誰でも答えることができます。


このシラブルという考えかたが日本では、学問的な興味の対象としてだけ扱われてしまい、英語を喋る、理解するためには使われませんでした。それは、おそらくシラブルの考え方が、従来のパラダイムでは、あまりに日本人にとって難しすぎたからでしょうか。かわりにイントネーションや、アクセントの位置という考えかたが、強調されました(平坦に喋っても英語が通じるのにもかかわらず)。

確かに、日本人の耳にはイントネーションやアクセントの位置を強調すれば、日本語っぽくないので、洋物っぽく響きますが、実際のネイティブの耳には、ネイティブっぽくは聞こえないのです。あまりに強調されすぎて、はちゃめちゃな英語に聞こえるのです(絵にたとえるとピカソの絵のような感じです)。


繰り返しになりますが、西洋では、子供が単語を覚えるときには、まずシラブルからはいるほど、言葉を覚えるときに大切な概念です。ところが、日本ではシラブルは完全に忘れ去られてしまいました。(細かいことを問うので有名な入学試験にも登場しないほどです!たとえるならば、外国人が日本語を勉強するときに、ひらがなを勉強しないで無視してしまっているようなものです。)


本書のタイトルは英語喉 50のメソッドですから、あたかも喉発音のほうが3ビートよりも大切であるかの印象を与えてしまうかもしれません。

喉発音も大切ですが、実は、ネイティブがきいて、この人は英語がうまいなあと思わせるのは、3ビートです。皆さんのなかには、留学をしたりして、ネイティブに英語をいつもほめられる人がいるかもしれません。その理由は、皆さんが、3ビートを無意識のうちに使って読んでいる単語が、ところどころにあるからでしょう。本書を読めば、今後は、すべての発話において、3ビートを完全に実践することができます。


3ビートによって皆さんの英語は流暢になりますが、それ以上に、皆さんはものすごい驚きを経験することになります。

3ビートを理解し、練習すると、3ビートが皆さんの勘の一部になります。そうなると、聞き取り能力が急激に上がります。英語どころか、フランス語やスペイン語なども(勉強したことがなくても)、音として理解し、繰り返して言えるようになるほどです


シラブルを3ビートとして理解し、シラブルとシラブルの間をスウィングとフォロースルーを実践することでスムーズに読むならば、英語音を100%聞き取ることができます。なぜでしょうか。どこからどこまでがシラブルで、どのようにシラブルとシラブルがつながっているかを勘として理解したうえで聞いているからです。


従来の方法は、とにかく、音を聞いて、がんばってください、、、と言うだけでした。一生をかけて、がんばりましょう、、、といった感じでした。

私たちのやりかたでは、具体的な言い方、聞き方をお教えします。

発音するときは、こうやってシラブルを一拍で言うんですよ、そしてシラブルとシラブルはこうやってスムースにつなげるんですよ、、、と具体的に指導します。

聞くことの指導も同じことです。聞くときは、3つの音をシラブルとして一拍ごとに認知してください、そして、シラブルの間はこのようにつながりますから、それを聞き取ってくださいね、、、と具体的にお教えします。


本書でこのことを学べは、英語国を旅行したときに、現地の人に、「あなたは何年、ここに住んでいるんですか。」などと聞かれてしまうでしょう。「WHAT(何)?」と聞き返されることもあまりなくなることでしょう。


「通じる」以上に、 もの すごいことが起こります。英語が通じる、、、こと以上に、なんでこんなに聞き取れるのか、、、とものすごいレベルの感動を経験されることでしょう。

そんな、まさか、、、と思われるかもしれませんが、日本人およびその他少数のアジアの言語話者(口発音言語、2ビート言語)以外の人にとって、英語が通じて、音が聞き取れるのはあまりにも当たり前のことです。

誰でも、風の音が聞けて、クラシック音楽が聴けるのと同じです。喉の音を聞き、その発音エリアが一つだけではないことを知るならば、音色の特徴をうまくとらえることができます。シラブルを知るならば、正しいリズム(3ビート)で英語を聞くことができます。