日本人に10人のうち2人ぐらいは、SがTHのようになるかたがおり、同時に、これは英語喉習得が非常に困難な状況だと言える。なぜかというと、日本語というのは、どの音も強くくっきり、はっきり、CHOPPYに発音するわけだけど、Sは微妙に違う。

ちょっと言い方を変えよう。

日本語の音は殆どが「(しっかり)ひっつけて、(しっかり)離す」ことで発音する言語である。だから、音がとてもCHOPPYだ。

逆に英語は、それをしない音である。MやDのように、くっつくこともあるが、それはしっかりつけるとか、しっかりはなすということではない。喉のほうに重心を置き、口のほうは、くっついたり離れたりするプロセスが起こったとしても、力を入れてはいけない。

力をいれるから日本人英語になるのであるから。

さて、まだ日本語のSの話である。

日本語が、ほとんどが「くっつけてはなす」音であるのに、Sだけは、日本語でもこのプロセスが微妙に弱い。それになんらかの理由で気づかずに、Sでさえも、しっかりくっつけて、はなしているから、起こるのが、いわゆる舌足らず的なSであり、また、THみたいになってしまうSである。

これは英語喉のP70で解説している。がんばりすぎているからSがTHみたいになると解説した。

英語喉は、日本語における言語障害のような現象も実は直してしまう、、、つまり医学的なAPPLICATIONも豊富だ。

SがTHみたいになるのは、言語障害とはいえないが、英語の発音をするときにも口発音が治りにくい発話法をしている人がそうしているのだから、英語喉を始める前から、困難になるということが予測できる。だから、例えば、あえて機関銃英語で聞き取り能力をつけておいてから、発音の練習に挑戦することで、やる気を継続することができるのではないだろうか?

さて、THEがZAとかDAになるのも同じメカニズムだ。THは、他の英語の全ての音と同じように、スムーズに切らずに、喉からの音を大切に外に運び出す音である、、、のにもかかわらず、舌を口の屋根のほうに、*くっつけて*離すから、THEがZAになったりDAになったりするのである。

英語喉においては、どの英語の音も同じなのだ。非常にシンプルな原理である。でもシンプルだから人間が話すことができるのだ。

日本語のSがTHになる人(舌足らずのS)は、自分の舌の動きを観察してほしい。Sを言うときに、非常に強い感じで、舌が口の屋根にちかづき(すぎて)、余計な気流を作り出してしまっているだろう。

それをやめるためには、口をリラックスさせ、舌に余計な動きをさせず、喉に重心をおいて喋ればよいのである。

昔同級生で、SHIがHIになってしまう人がいたのだが、それだって、今考えれば、舌に力が入りすぎているということだ。

英語喉が一刻も早く医学のコミュニティーにおいて、注目されることを望む。

さて、残念ながら従来のアプローチは、Sをするどく発音すると規定しているために、これは逆効果になっている。英語耳の松沢さんは、きれいなSが出せるまで訓練みたいな言い方をされていたが、これは私は逆効果だと思うし、また、SがTHになってしまう人が絶対に脱却できなくなってしまうやりかただと思う。

さて、西洋人の音声学者が書いていることは、まったくここで書いたことと矛盾しない。英語で書かれた音声学には、英語の音をしっかり発音せよとか、摩擦を強くせよなどと全然書いていないからだ。母音の説明などは、声帯で出した音を妨害せずに、そのまま口の外に出すというような定義がされているが、これは英語喉の説明と全く矛盾しない。日本語においては、喉の緊張で、いわば音が妨害されて、音がCHOPPYになるのだ。そのことに、音声学学者は一刻も早く気づくべきだろう。

今日は特に音声で説明したほうがわかりやすいのでUP。全部日本語です。

www.estat.us/blog/shita.wav

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2 thoughts on “Sが日本語でも発音しにくい人はリラックスしてください

  1. 長崎の雨 says:

    このSの音の解説は非常に重要なんですが、松澤さんの英語耳の
    推奨するやり方とあまりにも違うんで混乱される方も多いかも
    しれません。
    特に紛らわしいかも知れないと思うのは「英語喉」のジーナさんの手本の音でも「スー」っていう摩擦音は聞こえるんですよね。
    しかしジーナさんの音はリラックスした喉でSを出して、その結果として「スー」って音が鳴ってると思うんです。「スー」って音を
    鳴らすのがSの発音の目的ではないといったらいいのかな。いや
    「スー」って音はSの音の音色の一部ではあるんだけど、音の核
    はやっぱり喉で鳴らしている音(といっても無声なんだけど)と
    いったらいいのか・・・・。言葉で表現するのは難しいですね。

  2. 上川一秋 says:

    長崎の雨さん

    とても有益なポイントです。私もDCで教えるときに、ジーナがSSSとやるときに、ありゃ、やっぱり体の外で聞いていると、口が響いているように聞こえるのではないか?と思ってしまいます。体内のことなので。でも、わざと口でやった極端なのと比べると、ちょっと落ち着いた音だと思います。

    大学でESSをやっているときに、ランチタイムにメンバーで集まって、英語で喋っていました。そのときに、高校時代に留学していた先輩二人が、まさに、口発音によるSをするどく発音されていて、それが、静かな教室に響き渡っていました。

    そのときはかっこよいと思っていましたが、今考えるとあれば、間違った発音だったのかと愕然します。

    おっしゃるとおり、「音の核」ということでしょうね。言葉で表現するのは難しい、、、本当にそう思います。

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